【歯科・自費診療】患者別のアプローチ方法<中高年の女性編>

自費率向上

前回は20~30代の男女の患者さんについての自費診療へのアプローチ方法をお伝えしてきました。そして今回は一番「自費」になりやすいターゲットと言われている「中高年の女性」へのアプローチ方法についてです。

おさらいですが、患者さんを下記の4つのパターンで患者さんをセグメントし、そのパターン別の対応方法についてです。

「4つパターン」に分けて考えていきましょう。

  • 若い男女
  • 中高年の女性
  • 中高年の男性
  • 高齢者

https://dc.118.sc/jihi/kanjabetsu-wakamono/

前回の「若い男女」についてのアプローチ方法は下記のより…

【歯科・自費診療】患者別のアプローチ方法<20~30代の男女編>

2019年4月4日

なお、 「中高年の男性」、「高齢者」については別の記事でお伝えしていきます。記事ができ次第リンクさせていただきます。

中高年の女性の関心

中高年の女性の関心は「審美」と「健康」にの話題に集中し、もう少し具体的なテーマ(キーワード)は次の通りです。

  • 綺麗に見える
  • 若く見られる
  • 自然の歯に近い
  • 「生体親和性」が良い
  • 身体に良い
  • 虫歯になりにくい
  • 歯が長持ちする

このようなキーワードに反応する人が多いのがこの年代の女性の特徴です。また、総じて治療に対する恐怖感が強いのもこの層の患者さんなので、恐怖心を払拭するような治療方法の選択や、安心させるような言葉をかけてあげるのがいいでしょう。

いろいろな先生方から耳にするのは、中高年の女性は歯科医院においては、ちょっと厄介?と思われていることです。
なぜなら思うように話や治療が進まなかったり…つまり話が長いという点。
しかし、冒頭でも書きましたが一番「自費」につながり易いのがこの層なのです。

少し面倒な患者さんだとしても、この層の患者さんにやらなければならないことは決まっています。それはたったひとつ、「話しをしっかり聞いてあげる」ということです。ちゃんと聞き手に回って「困っていること」「何を求めているのか」をしっかりと聞いてあげましょう。しかし、治療を行う医師がこんなことをしていたら治療が回らなくなってしまうので、スタッフさんと上手に連携をとっていくことが重要です。

中高年の女性に対しての対応方法

中高年の女性の口腔内で共通していることといえば「治療履歴が多い」ということです。治療履歴が少ない患者さんも一定数存在しますが、苦労をしている頻度が少ないので自費の治療になる可能性は前述の患者さんと比べれば低めです。

自費治療を増やすためには、まずは治療履歴の多い患者さんとしっかり向かい合うことが自費率向上の近道といえるでしょう。

治療履歴の多い患者さんへの接し方

今までの人生において多くの治療を経験してきてるわけなので、最初は労いの言葉が重要です。「今まで苦労されてきたのですね。」、「何回も治療してきて大変でしたね。」などと患者さんが歯科治療において苦労してきたことを一言でいいので労ってあげてください。

そのうえで、過去~現在、そして未来のことを知るために原因の追究をしてあげることが信頼関係を築くうえでとっても重要になってきます。

医院の設備にもよりますが、ここで一番いいのが「唾液検査」です。ここ数年で簡易的なものも含めて唾液検査を行う歯科医院が増えてきたので唾液検査が可能な歯科医院は多いと思います。

現在の口腔内の状況、そして患者さんの傾向などを伝えて、今後どんなことに注意をすべきなのかどのような生活を送れば健康な口腔内でいられるかを教えてあげる。そうすることで患者さんからの信頼度が増していきます。

金属アレルギーに対する情報提供と対策

中高年に限らず、女性の患者さんには必ず金属アレルギーの話をしなければなりません。しかし、なぜ特に女性には必ずなのでしょうか…

それは、女性には金属アレルギーになり得る要因がたくさんあるからです。

  • ファンデーション
  • ジェルネイル
  • 美容(美顔)ローラー
  • アクセサリーなどの装飾品
  • 銀歯

特にファンデーションはすべてのものという事ではありませんが、金属を含んだファンデーションもあり、長年化粧をし続けていればいつアレルギーのトリガーを引くかわかりません。そのほか、アクセサリーやジェルネイルや美容ローラーも女性が使う特有のもので金属アレルギー自体、男性より女性のほうが多いというエビデンスも出ており、その理由としては上記のようなことが関連しているといわれています。

金属アレルギーに実際になってしまった場合は、肌荒れなど人から目に付く場所にも影響がでるため、女性のほうがメンタル的なしんどさが強く出ます。
原因はどうであれ、一度金属アレルギーとなると主な原因が銀歯でなくても、口腔内から銀歯を除去することが必要となり、歯科治療で金属を入れた歯科医師を訴えてあげたいと思っている。そんな女性も多くいるようです。

ですので、この金属アレルギーについては、自費診療云々の前に患者さんのためをリスクを伝え、患者さんと一緒に治療方針を決めていくことが望ましいと思います。「面倒だから」、「時間がないから」という理由で患者さんに何も聞かずに保険診療の銀歯を入れるようなことだけはしてはいけません。

それでも、金属アレルギーという症例がそれほど多くないため、人々が一番身近な花粉症などに例えて話してあげると理解度がグッと増すことでしょう。

患者さんの理解度を上げるためには

さてここで質問です。この記事を読まれている先生の中で患者さんにどのような治療を行っているのかしっかり説明できていますか?

多くの先生方は、「私はちゃんとしているから患者さんは理解してくれてる。」と思っているはずです。
しかし、普通に口頭のみで伝えているだけでは、患者さんは話の半分も理解できていないという事がとても多いです。先生方は歯科治療のプロ、患者さんは素人なので患者さんにはわからない専門用語を無意識のうちに使っていることが多いです。そうなると患者さんは理解がさほどできず曖昧なまま治療が進んでしまうことがあります。歯を削って詰めるだけの治療ならともかく根幹治療のような時間がかかり、複雑な治療な場合「なぜこんなに時間がかかっているのか…」、「自分の口の中でどんなことをしているか…」などは分かっていません。

「歯の根っこの治療をします…」だけでは大まかなことは分かったとしてもそれ以上は理解されないのです。なので「こんなに何回も通院させられて…」、「ぼったくってんじゃないの?」と思われてしまうことすらあります。

必ず模型を使ったり、紙に図を描いてあげて「これからどんなことをするのか」、「今日はどんなことをしたのか」、「今までどんなことをしてきたのか」などをちゃんと伝えてあげてください。
そうすれば、ちゃんと説明されたことで感動を与えて先生のファンになってくれることでしょう。この年代の患者さんから「ファン」になってもらうのは歯科経営にとってもとても重要なことです。

そのうえで、いままで散々歯科治療で苦しんできた患者さんに歯が長持ちする方法を教えてあげてください。

自費の補綴物の勧め方

さて、実際にどのように自費の補綴物を勧めていく、決断してもらう。という点ですが、言葉では勧め方と言っていますが、厳密には自費の補綴物を進めることをしてはいけません。

あくまでも、補綴物の選択権は100%患者さんにあります。なのでその歯科医院で推している補綴物があったとしても、「これがお勧めです」と言ってはダメです。

根幹治療を行った患者さんの場合

多くの先生方の話を聞く限り、根幹治療を行った患者さんに対して「自費と保険の分かれ道」は根充が終わった後、印象の前に補綴物の選択をしてもらうケース圧倒的にが多かったです。

上記のタイミングで患者さんに補綴物を選択してもらうことで問題ありませんが、営業的な言い方をすると、ここでのクロージングが大切な訳ではなくそこまでの患者さんとの接し方が最も重要な要素となってきます。これは前述したことをしっかり徹底して行うだけです。

患者さんに伝えるべきことのまとめ
① (治療履歴の多い患者さんには)労いの言葉を。
② 今の口腔内の症状を伝えてあげる(話を聞いてあげる)
② 歯の大切さ、長持ちする・虫歯になりにくい治療(素材)
③ 見た目の綺麗さ、若返り効果
④ 恐怖感の払拭、安心させる言葉
⑤ 金属アレルギーのリスク(特に女性は…、花粉症など身近な例え)
⑥ どんな治療をしてきたのか若しくは、するのか(図解で説明)

これらのことをしっかりと説明(擦り込み)した上で補綴物の説明を行います。
そして、その補綴物を選ぶポイントとしては下記のどれを重要視しているか患者さんに直接聞いてみましょう。

補綴物の選ぶ基準
● 見た目
● 虫歯の再発リスク
● 耐久性
● 安全性
● 価格

その結果、患者さんの気にしていること、求めることをしっかり聞いてあげることが重要です。そして、前にも述べましたがあくまでも決めるのは患者さんです。患者さんが望むことをこたえられてあげられるような選択肢を提示して、「どちらがいいですか?」と聞くだけにとどめておきましょう。

自費を伸ばすための治療後のポイント

これはやっている方がほとんどだと思いますが、もしやっていないのであれば必ず実行してください。

補綴の治療後のチェックは必須
セット後 数日後~1週間後
◇ セメントの残留
◇ 咬合

セット後にこれらのチェックをするのとしないのでは、今後の自費の獲得に大きくかかわってきます。

これらのチェックと同時に、

  • 今まで何に悩んできたのか?(悩んでいるのか)
  • 今回の治療で問題は解決できたか?

これらのことも必ず聞いてあげてください。まだ不安に思っていることがあれば話してくれるまずです。そして患者さんが不安を解消することができれば次の治療につながります。この年代の女性の多くは治療履歴が多く、今回の主訴以外にもメタルが入っている可能性が大きいです。そうなると他の歯も資料してメタルフリー化を進めることができます。

小さなインレーなどが入っているようであれば「小さい虫歯(インレー)ならCRで比較的安く直せるので余裕ができたときに1本ずつ治していきましょうね(実際にはCRをわかりやすく説明)」などを勧めるのもいいでしょう。

中高年の女性へのアプローチ方法のまとめ

中高年女性に限らず、歯の大切さを根気よく伝えていくのは言うまでもありません。そして今、口腔内でなにが起こっているのか、どんな治療をしていくのか図解で伝え、患者さんの理解度を高めることに全力を注いでください。

繰り返しになりますが、患者さんは先生方が思ったほど理解していません。理解していなければ自費にもつながりませんし、このまま通院してくれる可能性も低くなります。子供に説明するようにとまでは言いませんが、どんなに詳しそうな患者さんであっても所詮素人、咀嚼し専門用語を使わないように患者さんと接してください。

これは院長先生に限らず、スタッフさんと医院が一丸となって取り組まなければならない、成しえない事だと思います。

もし、このような素人でもわかりやすい伝え方が難しいと感じる方であれば、最近話題になりつつある「デジタルカウンセリング」という方法もあります。
説明しにくいことは動画がすべて行い、スタッフさんや先生方の時間や手を取られることがありません。

「デジタルカウンセリング」に関しては別の記事で紹介していますのでそちらもご覧ください。

【歯科】患者さんの心を掴む 「デジタルカウンセリング」を実践

2019年3月15日