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歯科における求人の現状
開業している歯科医師にとっても最も深刻な問題として、求人(採用)の問題が挙げられます。スタッフが揃わない歯科医院においては医院の運営がままならない状況に陥り歯科経営にとっても致命的です。
歯科衛生士の求人倍率は、な、なんと21倍!?
治療は歯科医師 である院長が何とかやりきったとしても、メンテナンスやクリーニングまでは歯科医師1人ではこなすことができません。
そのことを考えると歯科医院の運営にとって歯科衛生士の存在は不可欠なのですが、衛生士の求人で頭を抱える院長は多いのではないでしょうか。
その背景としては、歯科衛生士会のwebサイトによると
2018年度の歯科衛生士求人倍率は21.0倍と、非常に高くなっており、多くの歯科診療所が歯科衛生士を求めていることが分かります。
https://www.jdha.or.jp/merit/
求人倍率が21倍ということは1人の衛生士を21の歯科医院が取り合う状況で、人手不足と騒がれている社会全体の求人倍率が1.63倍(2019年3月1日 厚生労働省発表)と比べると驚異的な数字になります。
有資格者のうち就業衛生士は4~5割程度
歯科衛生士の潜在率(未就業率)は6割以上と言われています。
https://sikaeiseisi.firstnavi.jp/contents/latency/#sec1
歯科衛生士の有資格者の人数は25万人程度はいると考えられますので、実に15万人以上が潜在歯科衛生士となってしまっていると考えられます。
上記のデータは少々古く、年々有資格者は増加傾向にあることから最低でも25万人以上で現状はそれ以上。
また、平成28年の厚生労働省の「平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると就業している歯科衛生士は123,831人となっているので、有資格者の半数近くは未就業であると言えます。
対策方法:就業環境の見直しと他社との差別化
未就業の有資格者を対象にした場合、少なからず労働環境の見直しは痛みを伴わなければなりません。
各々の歯科において様々な状況があるのは重々承知しておりますが、その点を紐解いていかなければ「求人、採用」問題の解決には至りません。
2015年の日本歯科衛生士会による歯科衛生士の勤務実態調査 報告書の、再就職(復職)する際の障害(複数回答可)によると、勤務時間に関する障害がトップとなっています。
https://shikakara.jp/dh/column/basic/data/number-dh/
近年の歯科では労働時間が長かったり、夜遅くまで、また土日の診療が行われているところが増えてきたのでこのような問題が起こってしまいます。
「パート衛生士」と「正規の衛生士」がお互いの勤務時間をやりくりする方法を歯科医院側が積極的に介入していくのも解決策のひとつかもしれません。
求人の手法
それでは現在の主流になっている求人方法を見ていきましょう。これは実際に多くの歯科医院が取り入れていることなので想像がつきやすいと思います。
ハローワーク(職業安定所)
こちらは、無料で求人ができ正式には「公共職業安定所」といい国が運営しています。無料で登録できるところから多くの歯科医院で導入されているのではないでしょうか。
求職者側も雇用保険の資格変更の手続きや失業手当の受給手続きをするのと同時に利用できるので多くの方が利用しています。求人数が多くハローワークに出しているだけではなかなか応募が来ないのが現状です。
例え応募が来たとしてもいい人材に巡り合う可能性はなかなか低い求人方法かもしれません。
求人雑誌
フリーペーパーや求人雑誌への掲載になり、こちらには掲載料等の費用が発生します。
メリットとしては、地域に密着した媒体が多く歯科医院の近くの方にアプローチすることができます。しかし、近年では若い方を中心に紙離れが進みインターネットを使って求人を探す風習になっています。比較的若い人材を求める場合には不向きかもしれません。
また、次々に新しいものがでてきますので、一定期間を過ぎると目に触れる機会が激減し求人掲載の寿命が短いのもネックとなってきます。
求人サイト
webサイトを介して求人を行う媒体。昨今様々な求人サイトがあり、中でも規模が大きいのは「Indeed(インディード)」、こちらは掲載も容易で無料掲載できる世界最大の求人サイトです。
簡単に言ってしまうと、「google」や「Yahoo!」などと同様、求人に特化した検索エンジンです。掲載は無料で簡単にできますが無料で掲載しているだけではどこに埋もれてしまっているのかわかりません。
「google」や「Yahoo!」などと同じくクリック課金型の広告設定ができます。このような対策をしなければ、莫大な情報量のため採用に直結することは難しいかもしれません。
また、そのほかにも多くの求人サイトが存在しますが、掲載料はかなりお高め。某求人サイトでは約1ヶ月掲載すると30~100万円ほどかかると言われています。
これはアクセスや、採用の有無に関わらず発生するのでイチかバチかみたいなところもあり、採用に至らなかった場合はその掲載料は水の泡となり消えていきます。
人材紹介
人材紹介はいわば、企業が歯科と求職者をマッチングさせるビジネスモデル。登録などにお金がかからないことがほとんどですが、実際に採用すると一般的には年収の20%前後の手数料が発生します。
例えば、年収300万円の歯科衛生士を採用した場合300万円×20% → 60万円が手数料として発生することになります。
こちらは採用に至った場合のみに手数料を支払えばいいのですが、最近いろいろな先生方から悪い噂も聞きます。
一定期間に退職した場合は手数料が返金されるところがほとんどですが、その期間が過ぎた直後に辞めたり、もっとひどい場合は院内をひっかきまわして退職するなんてことも…
そんな悪いことをする会社は滅多にないと思いますが頭の片隅に入れておいたほうがいいと思います。
自社(自医院)サイト
歯科医院のHPに採用ページを作って求人募集をしている歯科医院もすごく増えています。法人の歯科や大規模の歯科ではここ最近、求人ページのみならず、採用のためのwebサイトを制作しているところも見かけるようになりました。
こちらは、まさしく今後のトレンドとなる手法です。ただし採用専用のサイトを作ったところでサイトがあるだけではなかなかそのサイトに訪問してくれません。
上記に挙げてきたような媒体と絡めて興味をもった求職者に詳細の情報を提供することではとても重宝するのですが、それだけで採用の状況が短期間で変わることはまずないでしょう。
今後のトレンド
さて、上記も少し触れましたが今後の求人手法のトレンドとはなんでしょう。
実際には自社(自医院)の求人サイトを使った求人手法になるのですが、これはどんな歯科でもベストな手法かというとそういう訳ではありません。
求人サイトが有効的な歯科医院の特徴は次の通りです。
定期的にスタッフ募集をしている歯科医院
グループ歯科が複数ある歯科医院
求人に大きなコストをかけている歯科医院
以上のような歯科では求人用の自社(自医院)サイトを作ったほうが中長期的に見れば大幅に求人にかけるコストを抑えることができます。
上記以外でも、「他医院との差別化」や、多少お金をかけても「いい人材が欲しい」という歯科であれば有効的な求人手法となります。
どうであろうと、今後「歯科」と「求人」は切っても切り離せない関係なのです。
自社運用(求人用サイト・LP)
それでは、求人サイトと一言でいってもどんなものなのでしょうか?
歯科のHPに「スタッフ募集」というバナーを貼ってそこから
雇用形態:正社員、非常勤、パート
給与:月給 ●●万円~、時給 ●●●●円~ ※経験に応じて考慮
勤務時間:●●時~●●時
社会保険完備、有給休暇あり
などと募集要項のみ記載されたページのことではありません。
これでは、最低限の条件がわかったとしても求職者の欲しい情報はほとんど伝わりません。せめて「この歯科では求人しているんだ…」ということがわかる程度です。
医院自体の雰囲気はHPで確認できるものの、求職者としては
- スタッフやバックヤードの雰囲気
- 福利厚生は実際どのようになっているか
- 休みやシフトの問題
- 実際に働いているスタッフの声
- 産休、育休の制度の実態
- 一日の仕事の流れ
- 忘年会、新年会などイベントについて
などなど…情報が多ければ多いほど求職者はその歯科に興味を持ちます。
給与を重視するのか、休み(シフト)や有休の取得の自由度を優先するのか。または、保険治療がメインか自費治療を含めた患者さんにとって最善の治療方法を提案している歯科医院なのか…などの歯科医院の方向性なども気になるところです。
どれが正解というわけではありませんが、それぞれの歯科医院には目指すべき方向があり、歯科医院としては同じ方向性に向かったスタッフに来てもらいたいはずです。
このようなことは、募集要項だけではわからない情報で求職者にちゃんと訴えるのが求人用のサイトの役割という事になります。
このような内部的なことも掲載すると、通院される患者さんに見られたくない事もあるでしょう。なので歯科医院のHPとは切り離して作るのが「求人専用のサイト」が重要になってきます。
Web広告による求職者へのアプローチ
さて、仮にこのような求人サイトを作ったとしましょう。
これをどのように求職者の目に触れるようにするかがとても重要です。ただ求人サイトを作っただけではだれにも見てもらえません。
そこで大きな役割を果たすのが「web広告」です。web広告とはweb上でサイトでよく目にする広告のことです。
大きく分けると「ディスプレイ広告」、「リスティング広告」などがあり、そのほかにも最近ではインターネットの各媒体で「動画」使った広告も数多くみられるようになってきました。
上記画像がディスプレイ広告(記事の間に埋め込まれるのはインフィード広告)で、インターネット検索していると目にする機会が多いと思います。興味のないものでしたらスルーしてしまいますが、興味のあることが記載されているとついついクリックしたくなってしまいますよね!?
続いては、リスティング広告。
これは何か「検索」した際に上位表示されるテキストの広告のことで、下記の画像のように「広告」という印が付きます。
ここでは、
「浦和駅 衛生士 求人」と地域などとエリアを絞って検索した結果です。
このように求職者が検索した際に上位表示される広告のことです。地域を限定して職を探ししている方と巡り合えるので効果は高いと言えます。
SNS広告による求職者へのアプローチ
上記のようなwebサイト以外でも「facebook」や「instagram」などSNSの広告も効果が高いといわれ増えています。
このサイトに訪問された先生もSNS経由でたどり着い方もいらっしゃるかもしれません。最近の傾向からすると20代~30代半ばまでは「instagram」が多く、30代半ば以降の方はfacebookが多く使われているというデータがあります。
求めるスタッフ像によってこのような媒体を変えていくことも可能です。
なお、SNSの記事に紛れて表示される「インフィード広告」で、SNSをやっている方であれば1度は絶対に見たことがあると思います。
仕事を探しているタイミングでSNSを開いて通勤圏内の歯科の情報が表示されたら多くの方はとりあえず見てみると思います。
採用サイトの種類
求人サイトの作り方としては大きく分けて2種類あります。
- 求人サイト
- ランディングページ
です。
この違いを理解するのがなかなか難しいのですが…
求人サイト
「求人サイト」と便宜上言っていますが要するに目的を求人としたwebサイトのことです。
複数のページに分けて多くの情報を伝えることができます。事細かな情報を多く伝えることができます。
自動車で例えると「分厚いカタログ」です。
当然、必要な情報( 求人の申し込みに対してな )もありますし、マニアしか気にしないような馬力やホイールベース、最低地上高、タイヤのリム径やオフセット、駆動システムなど…多くの情報が記載されていることが多いです。
こだわる人には必要かもしれませんが、正直全員が必要としている内容ではありません。
ある程度候補を絞って最終的な判断をするときであれば必要な情報かもしれませんが、広告を目にしてそのサイトに訪問した場合。逆に情報量が多すぎて問い合わせに至る前に(webサイトを)離脱してしまうリスクも出てきます。
ランディングページ
上記のサイトに対して、広告などのランディングに使われるサイトを「ランディングページ(LP)※以下LP」といい、基本的には1ページのサイト構成になります。
ここでは、必要最低限な情報を伝え。
「もっと詳しく知りたい。」もしくは、「もっと詳しい話を聞いてみたい!」…
『とりあえず応募してみよう。』
と思わせることを目的とします。
細かな内容を伝えるより魅力を伝えて問い合わせにつなげることを重要視するwebサイトになります。
Web広告のターゲティング
web広告やサイトについてお伝えしてきましたが、求職者にどのように目にしてもらうかがweb広告大最大のポイントになります。
求職者、いわばターゲットは通勤圏内の有資格者(歯科医師や衛生士の場合)となるのでターゲットは限られます。
ターゲット以外の方にいくらいい情報を提供しても採用に繋がることはありません。web広告では様々な手法でターゲットになり得る人にだけ情報を提供することが可能です。
対象エリア
採用に当たってはその歯科医院に通うことになるのでエリア設定はとても重要になります。
- 〇〇県〇、〇〇市などの市町村単位での広告配信。
- 〇〇駅から半径〇〇km以内での配信
などエリアを絞った配信の設定が可能です。
性別、趣味趣向
使用している端末(スマホやPCなど)によって検索するワードで性別や趣味、職業などもある程度は分類されます。
これは、よく経験があると思いますがwebサイトや記事などを読んでいる際に自分の趣味などに関連した広告が表示されることがあると思います。
これは使用する端末のブラウザ(IEやChrome、Safariなど)がCookie 情報として蓄積しそのユーザーがどんな人なのか、ある程度の判別ができてしまうからです。
ターゲティング手法(サーチターゲ、リタゲ(リマケ))
サーチターゲティング
ユーザーがインターネット上で検索をしたキーワードを使用してターゲットを絞る方法です。(詳しくはこちら)
例えば…
過去30日間に「歯科衛生士 求人 浦和駅」などと検索した人に対してその広告を表示するといった設定になります。
これを利用することによってリアルタイムに求人を探している人にアプローチすることが可能になります。
リターゲティング(Googleではリマーケティング)
これは、「追従型広告」とも呼ばれ一度そのサイトを訪問した人に対して、追従してディスプレイ広告を表示するターゲティング方法です。(詳しくはこちら)
一度興味があって訪問してその場では問い合わせに至らなかったけど、興味を持ち続けている方は案外多いものです。
そのようなターゲットに対して広告を定期的に表示して問い合わせにつなげます。
Web広告での費用
それでは実際にどのくらいのコストがかかるのでしょうか?
エリアや媒体、キーワード、広告の打ち出し方、キャッチコピー、LPの内容によっても異なるのですが、1クリックがおおよそ100円~200円程度(かなりざっくりです…)
クリックしてLPに訪問した人が問い合わせに至るのがおおよそ1%くらいが平均的です。
そうなると1万~2万円で1名の応募という計算になります。あとは面接してからの採用に繋がるか否かは運と求める人材像によって大きく変わってくると思います。
基本的にはエリアを絞って募集をかけるので広告費用はそこまで高額にはならないはずです。
日額での上限額の設定
とめどなく、クリックされてしまったらコストがかさんでしまう…
と思われた方がいるかもしれませんがそこはご安心ください。web広告は1日当たりの広告費の上限を設定することが可能です。
ですので1日:1000円という設定をすれば1ヶ月にかかる広告のコストは3万円程度という事になります。
まずは少額の資金で試したいという事であればそのような対応も可能です。
もちろん、エリアやキーワードの設定やそのボリュームなどで金額は上下します。実際にweb広告を始める際は広告運用者へ相談してください。
一度、求人専用のサイトを制作してしまえば、必要な時に必要なだけ広告を打てばいいのです。毎回数十万のお金と手間をかけて募集をしなくてもいいのです。
サイトを維持するのはごくわずかなサーバー代程度です。
歯科専用求人サイトのモニター募集
今回、歯科医院向けの「求人専用サイト」のモニターを募集いたします。
なんと、1医院さま限定で「無料」で求人サイトを制作します。
もちろん、条件等もございますので詳しくは「無料モニター募集 特設ページ」をご覧ください。